- 正木 郁太郎 氏
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社会心理学研究者
採用学研究所
東京大学大学院 人文社会系研究科 - 組織風土の醸成・職場への影響などの研究を進めている社会心理学・組織心理学の研究者。近年は企業におけるダイバーシティ推進・女性活躍の問題について学会で発表するなど、組織心理学の視点から幅広く研究を行っている。
– 2016.01.05実施 –
社会心理学研究者
採用学研究所
東京大学大学院 人文社会系研究科
参加者の把握度に大きな違いはない!?
【7=完全に把握できた】
〜【1=完全に把握できなかった】
※数値は各群の平均値を記載
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群間の平均値差の検定はU検定の結果を記載( + p<.10, * p<.05, ** p<.01, *** p<.001)。
全体の25%が
教材は読み飛ばしてしまう!!
【6=非常に当てはまる】
〜【1=全く当てはまらない】
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ムビケーションでは
ポジティブな気分が強い
【6=非常に当てはまる】〜【1=全く当てはまらない】
※数値は各群の平均値を掲載
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1) 佐藤・安田(2001)の日本語版PANAS(気分を測定するための尺度)を用いた。
2) 群間の平均値差の検定はU検定の結果を記載( + p<.10, * p<.05, ** p<.01, *** p<.001)。
疲労感40%軽減
研修継続意欲96%上昇
【10点満点】
※数値は各群の平均値を掲載
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群間の平均値差の検定はU検定の結果を記載( + p<.10, * p<.05, ** p<.01, *** p<.001)。
【10点満点】
※数値は各群の平均値を掲載
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群間の平均値差の検定はU検定の結果を記載( + p<.10, * p<.05, ** p<.01, *** p<.001)。
ムビケーションではより多くのことばが交わされ、議論開始までの時間が短い
(文字データ分析)
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1よりムビケーションの方がより多くの言葉が交わされていることが分かる。
2・3からは、ムビケーションの方が発言者の入れ替わりが頻繁に行われており、 グループ討議が活発に行われていることが分かった。
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縦軸は単位時間あたりの発言者の総数。「0.0~5.0min」「5.0~10.0min」「10.0~15.0min」「15.0~20.0min」の各5分間ごとに集計
文章群では誰かを置いてきぼりにして話が進む状況が頻発
※発言数が1回または0回の人を色分け表示
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「誰かを置いてきぼりにして話が進む(ただし誰が置いていかれるかは変化する)」という状態が、文章群では頻繁に生じていたことが分かった。(下図のイメージ)
ムビケーション群:ミクロ、マクロ共に強調される
文章群:マクロ視点のみ強調される
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テキストマイニングの分析結果をチーム、教育という単語が両群とも上位に来ていたり、全体的な傾向自体は共通している。しかし、頻出語を分類し比較していくと、以下のような違いがあらわれた。
ムビケーションは、ケーススタディにおける状況設定を分かりやすく伝えられる。受講者は状況設定において共通の認識を得やすく、他者との理解解釈の違いに不安を感じることが 少ない。そのため、発言しやすい環境が生まれ、より多くの人がグループ討議に参画できたり、討議を序盤から活発に行えたりと、活性度を飛躍的に高めることが分かった。
ムビケーションは、主観カメラによって撮影されたストーリーのある映像を用いて受講者にグループ討議の題材を投げかける。そのためグループ討議の題材となる課題が存在している 現場の温度感や、登場人物の顔やキャラクターを、自分目線で認識することができる。グループ討議の内容も登場人物の名前を挙げたものになったり、現場目線の内容を 多く含むものとなっていたりと、より具体的な議論を可能にしている。
ムビケーションは文章教材と比べ、状況設定のインプットの負荷を減らし、グループ討議を ポジティブな雰囲気に変え、実習の疲労感を大きく軽減していることが分かった。そのため純粋な満足度も大きく向上させており、継続意欲も非常に高まっていた。 これらは、成人教育論 (アンドラゴジー) において重要とされる「学習へのレディネス(学習における準備状態)」に影響を及ぼし、効果的な学習をサポートするものと考えられる。