お客様プロフィール

SBI損害保険株式会社

損害保険業(自動車、がん、火災など)
従業員数:693名
設立:2006年
本社:東京都

事例概要

課題背景
もともと中途採用を軸にした人事戦略を描いており、事業拡大に伴って若年層の社員が増加。離職防止の対策として、エンゲージメントの向上や管理職の育成・強化が重要課題になっていた。
成果
crextaを研修と組み合わせて活用することで、管理職の能力向上はもちろん、社員の自ら学ぶ意識が高まった。
また、エンゲージメント診断機能を活用したことで、全社的に自主的に組織を改善していく意識が感じられるようになった。
現在もマイナビに伴走してもらいながら、自組織改善プロジェクトや社員の意識改革などの施策を展開中。

「研修×人材・組織開発ツール」によるシナジー効果で組織力向上を目指す

総務人事部 人事課
中島 健介さん
氏家 惠美さん

2006年の設立以降、中途採用を軸にした人事戦略を展開してきたSBI損害保険。 事業規模の拡大に伴い、近年では若年層の採用や活用が大きなテーマとなっており、それと同時に管理職のマネジメント能力の向上が急務になっていました。 こうしたなか、同社は2021年3月にタレントマネジメントシステム「crexta(クレクタ)」をはじめとしたマイナビの人材育成プログラムを導入。ともに教育プランを練りながら、組織力を高めるための人材育成に力を入れています。

同社がcrextaを導入するに至った経緯や導入後の取り組み、そして今後の展望について、採用・育成・労務を担当する総務人事部のご担当者に伺いました。

エンゲージメント向上のカギを握る管理職の人材育成

― SBI損保は2006年設立のダイレクト型損害保険会社として、自動車やがん、火災をはじめとする保険商品を取り扱っていますが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大は、業績などにどう影響していますか。

中島 健介さん(以下、中島):テレビCMやラジオ番組などで継続的に認知度アップに努めたこと、コロナ禍で自家用車の利用者が減り事故件数が減少したこと、ダイレクト型保険(代理店などを介さず、インターネットなどを利用して加入する保険)の需要拡大などが相まって、ここ数年の業績は順調に推移しています。おかげさまで、昨年度は過去最高益(純利益5.4億円)を記録することができました。

そうしたなかで、中期5か年経営計画で社内のエンゲージメントの向上が掲げられていることもあり、総務人事部として何ができるかを模索しているところです。

― 現在は特に管理職の人材育成に力を入れているそうですが、その背景についてお聞かせください。

中島:当社は比較的新しい損害保険会社ということもあり、これまでは中途採用を軸にした人事戦略を推進してきました。結果、他社で管理職を経験せず、SBI損保で初めて管理職を経験する社員も多いのですが、従来の当社の研修は実務に関する内容がメインで、管理職としての自覚を促したりスキルを磨いたりする機会はほとんどありませんでした。そのため、長年にわたって管理職のマネジメント能力不足が潜在的な課題となっていたのです。

また、最近では若年層の社員が増加したことを背景に、離職防止に真剣に向き合いながら、全社的にエンゲージメントを高めること、そしてあらためて管理職のマネジメント能力を高めることが喫緊の課題になってきたのです。

― 従来の管理職研修はどのように実施していたのですか。

中島:総務人事部の人的リソースも整ってきたタイミングでもあったので、ここ数年は特に管理職向けの研修コンテンツの拡充などに力を入れてきました。しかし、全社的に管理職の基本像が共有されていなかったり、部門によっては教育プログラムやマニュアルなど体系だって整備がされていなかったりしました。また、新しく入ってきた方のこれまでの経験に依存するなど、当社独自のカラーを感じることができないことも課題でした。

前向きに学ぼうとする社員が増加

― そのような背景の下でマイナビのサポートと、crextaを含むマイナビの人材育成プログラムの導入を決めたわけですね。どのようなきっかけや決め手があったのでしょうか。

中島:マイナビから提案をいただいたのは、ちょうど管理職研修の第一歩として、SBI損保の管理職の基本像を知ってもらうための施策を模索していた時期でした。全管理職向けに何かをしたいと思っていたときに、マイナビを含め複数社から育成方法などの提案がありました。そのなかでマイナビの提案に注目したのは、単年度の管理職プログラムだけでなく、そもそもの教育風土をつくり、長い目で離職を抑えようとする内容になっていたからです。

そのひとつが研修とcrextaによるシナジー効果です。研修だけですべての基礎知識をカバーするのは難しいですし、研修が知識の詰め込みになってしまわないよう、crextaのeラーニングを事前課題として活用するなど、研修の成果がさらに上がるような施策を提案してくれたのです。こうした豊富な人材育成に関する知見やノウハウは当時提案いただいた他社にはないものでした。その視点は当社にとっても実に魅力的なものでした。そこで、2021年3月にcrextaを含むマイナビの人材育成プログラムを導入することにしたのです。

実際、これだけの機能があるうえにマイナビの総合的なサポートもあるわけですから、コストパフォーマンス的にもかなり高いシステムだと感じています。ちなみに、本題とは少しずれますが、社内で人事データベースを整理したいと思っていた矢先だったので、データベース機能が搭載されていることも私たちにとってはありがたかったですね。

― 導入から1年強ほど経過しましたが、crextaの活用についてはどうでしょうか。

中島:eラーニングに関しては、コロナ禍の影響でテレワークの比率が増えたこともあり、かなり重宝しています。早い段階から福利厚生の一環として全社員に開放したのですが、今も多くの社員が学習のインフラツールとして利用してくれています。

氏家:手軽に利用できることから、なかにはほとんどのコンテンツを視聴している社員もいるほどです。自己学習の風土醸成や習慣化につながっている印象もありますし、こういった反響は総務人事部としても励みになりますね。

― どのようなコンテンツがよく視聴されていますか。

中島:Excelの使い方やプレゼンテーション・ネゴシエーションの効果的な方法などビジネススキルに関するコンテンツの需要が高いですね。また、世間的な関心の高さも相まって、多くの管理職がハラスメント関連のコンテンツを視聴しています。

― 一部の部門ではcrextaにオリジナルのeラーニングコンテンツを取り込み、活用するといった使い方を実践されていると伺いました。

氏家昨年末にeラーニングのオリジナルコンテンツ作成機能を利用して、実際に顧客対応を行う部門が自部門の社員向けに業務知識向上を狙いとしたコンテンツを作成しました。内容は主に損害保険の専門的な業務知識に関するもので、crexta上でeラーニングとテストが実施できるようになっています。

― 自ら学ぼうとする前向きな雰囲気が醸成されつつあるのですね。そういった新しい施策を導入するにあたって、苦労した点はありましたか。

氏家:やはり最初はシステムの認知度をあげることというものには苦労しましたが、マイナビのフォローをいただくことで、導入自体はさほど苦労もなく、徐々にではありますが進めることができました。今ではマイナビから提供してもらったマニュアルなどを使って、自分たちで新しいコンテンツの作成や実装に取り組んでいます。

エンゲージメント診断を活用した意識改革

― crextaの機能を活用し、2021年6月と2022年4月に全社員を対象にしたエンゲージメント診断を実施したそうですね。

中島:管理職や若年層が抱える具体的な課題を把握することを目的として、2021年6月に第1回目のエンゲージメント診断を実施しました。スコア的には私たちの想像を上回る内容だったのですが、この結果に一喜一憂しないようにしなければなりません。

マイナビがエンゲージメント結果報告会を実施し、結果の読み解き方や推奨施策をアドバイスしてくれるので、それらに向き合い、何らかのアクションを起こすことが重要だと認識しています。ありがたいことに自分たちのスコアを意識し、人材配置を工夫してみるなどの施策を始めた部門もあるので、そういった取り組みを少しずつ広げていきたいと思います。

氏家:社員の意識を見える化できたのは大きな成果だと捉えています。また、私たちの感覚と異なっているところや思いもよらぬ課題も見出せ、今後の人事戦略にも活かせると考えています。

中島:エンゲージメント診断については現時点でまだ2回実施しましたが、継続していくことが重要だと認識しています。

継続的かつ定期的に実施していくことで、信頼性の高いデータを蓄積していくことができますし、そうしたらそのデータとcrextaのパーソナル診断機能の結果などを組み合わせることで、データに基づいたより効果的な人事戦略を描けるようになると思います。

― この7月からはマイナビからの提案もふまえ自組織改善プロジェクトに取り組まれているそうですね。

中島:年に1回の管理職研修は開始したわけですが、マイナビとのディスカッションを通して、その成果をさらに前向きなものにするためにも、またより一層の企業風土の変革を推進するためにも、まず役員などの経営層の意識を変えていく必要があるということになりました。そこで、マイナビからの提案もあり、部長を含む会社の経営層を対象に自組織改善プロジェクトを実施することにしたのです。対象者にはおよそ1年にわたって、自組織の改善に向けて本気で取り組んでいただき、各組織の現状を知ることで、全社的な視点を持っていただければと考えています。

そのプロジェクトの一環として、先日、全社員を対象に2回目のエンゲージメント診断を実施しました。診断の結果はひとつの指標として活用していく予定で、スコアや行動、意識などがプロジェクトを通してどのように変化していくのかといったことに注目したいと考えています。まずはこうしたアクションを実施し、会社が前向きに変わっていこうとしている姿勢を全社員に示していきたいですね。

またそれと同時に、このエンゲージメント診断の結果を自分たち自身で読み解いてもらうのはもちろん、外部講師による1対1のコーチングや部長層とのグループ面談を通して、個々のエンゲージメント、ひいては組織力の改善に役立ててほしいと考えています。

マイナビの知見を活用しながら社員のキャリア意識を高めたい

― crextaやその他の施策を導入するにあたって、マイナビはどのように伴走し、サポートしてくれていますか。

中島総合人材会社としてのHRの知見を活かしたサービスの幅広さには毎回、とても助けられています。また、膨大な数の会社をサポートしてきた経験や、そこで得られた知見にもとづいた提案もありがたいです。

実際、私たちの漠然とした相談に対しても真摯に向き合い、ディスカッションを通して潜在的なニーズや課題を明らかにし、改善に向けた道筋を提案してくれています。引き続き二人三脚で組織力の向上に努めていきたいですね。

氏家:人材育成に関して、若年層から管理職層まで幅広くカバーしているところもありがたいですね。組織としての成長を視野に入れた上で、それぞれの世代の人材育成に対して適切なアドバイスをいただけるのでスムーズに施策を展開することができています。

自組織改善プロジェクトについても、crextaの多彩な機能やマイナビのサポート体制があったからこそスタートを切ることができました。

― 今後、取り組んでいきたいことについて教えてください。

中島:SBI損保が今後、持続的な成長を遂げるにも、若年層の採用と、人材育成がますます重要な課題になってきます。

また、社員一人ひとりが今よりも「自分のキャリアは自分で責任を持つ」という意識を持つことで、さらなる高みを目指していくような雰囲気をつくりあげていくことも欠かせませんし、人事部門として、その機会を提供できるようにありたいと思っています。その実現のためにもマイナビと一緒に、適切なタイミングで、適切な施策を打ち続けていきたいですね。

氏家:学びというのは非常に大きなテーマですし、一生続いていくものです。ですが、やらされているという意識だと続きませんし、自分の身にもなりません。だからこそ、ひとりでも多くの社員に主体的に取り組むという意識を持ち様々なことに積極的に参画してほしいと思っています。

― 本日はありがとうございました。これからも一緒に御社の人材・組織開発に取り組んでいければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール

中島 健介さん
総務人事部 人事課 マネージャー
損害保険会社や事業会社などで15年ほど人事業務の経験を積んだ後、2019年にSBI損保に入社。総務人事部に配属となり、主に採用や研修を担当している。
氏家 惠美さん
総務人事部 人事課 アシスタントマネージャー
人材派遣会社で8年ほど勤務した後、2019年にSBI損保に入社。総務人事部に配属となり、初めて人事業務に従事。現在は主に採用や研修を担当している。