導入事例

社員の「才能」を発見し、伸ばす「crexta」と診断・研修を掛け合わせて100年企業へ

企業の存続に必要なのは「1人の天才」ではなく 社員全員の学び続ける姿勢
北陸電機製造株式会社 様
業種
メーカー
従業員数
387名(2024年3月現在)
設立
1944年
本社
富山県

課題背景

既存の事業で着実な業績を積み上げながらも、市場環境の変化に対応していくためには、新規事業の開発が必要と考えていた。新規事業の開発と実行にはそれに適した人材が必要となるが、それを担う人材の育成に課題を感じていた。

成果

社員一人ひとりの能力を把握し、その中から「強み」を伸ばしいくことが必要だと考え、crextaのeラーニング機能で社員が学べる環境を整備。社会人基礎力診断と合わせて活用することで、社員が自分の能力を把握し、自発的に学習する土壌が醸成されつつある。
組織開発のために、エンゲージメント診断も実施。結果をもとに研修を実施し、管理職の「人事評価の透明性」などの項目に改善がみられた。今後も「向き・不向きよりも『前向き』」な社風を目指し、マイナビとともに組織開発を進めていく。

北陸電機製造株式会社は、戦後復興期から変圧器を中心とした送電設備を製造している老舗のメーカーです。
長年の信頼と実績で着実な業績を積み上げながらも、社長である大西賢治氏は「100年企業になるためには、新規事業開発を含めた革新が必要」と考え、人材・組織開発ツール「crexta」をはじめとしたマイナビのHRソリューションサービスの導入を決められました。

crextaによって、北陸を代表する老舗企業はどのように変化したのでしょうか。お話を伺いました。

「100年企業になるための取り組み」をされていると伺っています。どのようなお取り組みでしょうか?

大西さん
(以下、大西)

はい。当社はこの北陸地方を地盤に電力会社に向けて変圧器や配電盤を製造、販売してまもなく80年を迎える老舗のメーカーです。今のところ売上は拡大を続けられていますが、環境意識の高まりなど市場環境の変化に適応していかないと100年企業にはなれないのではないかと常々、考えています。

つまり、足下で需要のあるインフラを支えるための事業は着実に進めつつ、新しい発想にもとづいた新規事業の開発も同時に進めていく必要があるということです。もちろん、新規事業の開発と実行にはそれに適した人材も必要ですが、今の時代は採用もなかなか難しいですよね。

そこで、まずは社員一人ひとりの能力を把握すること、そしてその中から「強み」を伸ばして育てていくことが必要だと考えています。そうすることで、100年企業を目指すためのアイデアが出たときにそれを実行できる社員を育てることができます。

アイデアが生まれるための取り組みはすでに始まっているので、あとは社員の能力の把握、そして強みを伸ばすこと、この2つができればよいと考えています。

アイデアが生まれる取り組みとはどのようなものでしょうか?

大西

私が社長に就任した2021年から実施している「アイデアボックス」の設置です。業務環境などを考慮した実現可能性は考えなくていい、名前を書く必要もない、自社と社会にとって必要だと思われる事業アイデアを誰でも投稿でき、他の誰の目にも触れず私に直接届くようにしました。

私は、そういうアイデアは日々の業務の中からしか生まれないと思っています。つまり、社員からしか生まれてこない。きっと社員の中には当社が100年企業になるために必要なアイデアが眠っていると思うんです。

投稿されたものは私が直接、1つずつ見て講評し、全社員が閲覧できる掲示板に公開していますが、いまだそこから生まれた事業計画はありません。

なかなか苦戦していらっしゃる… ということでしょうか。

大西

いえいえ(笑)。こういうものは、1,000のアイデアがあってやっと2つか3つ可能性が見えてくるという程度のものだと考えています。だから、いま苦戦しているとは思っていません。「まだ実現可能なアイデアが出てきていない」というだけです。

一方で、キラリと光るアイデアが見つかったときには、最初にお伝えしたようにそれを実現できる人材が必要になりますが、すぐに見つけるのは困難です。だから、社員の能力を把握したうえで育てていくことが重要なんです。

しかし、それを自社だけでやりきろうとするのはなかなか難しい。当社の社員は客観的に見てどのレベルにあるのか、10年後は、どのレベルの社員がどれだけ必要なのかを把握したうえで、人それぞれどんな特徴があり、伸ばすべき強みがあるのかを見出す必要があります。現場の管理職だけでこうした把握と改善をおこなうことは困難かつ負担も大きいですから、外部の力を借りる必要があります。そこで、総合的に人材や組織の課題を解決してくれそうなマイナビに声をかけました。

それがcrextaの導入に繋がっていったということですね。

大西

世の中は過去の延長線上で進むわけではありません。社員が自分なりにありたい姿を描いて、そこに向かっていかなければならないのです。野球なら一人の天才がチームの成績を変えることもあるでしょう。しかし、会社ではそうもいきません。一人ひとりの社員が自分の能力、自分のポテンシャルを理解し、学び続ける姿勢を持つことで初めて、100年企業になりうるアイデアとその実行力が得られるのだと思います。

社員が自発的に学べる環境を eラーニングを活用した人材育成

社員の教育という点では、crextaをどのようにお役立て頂いているのでしょうか?

大西

社員教育の面では、eラーニング機能が役に立ちますね。

私が若い頃は、仕事のために勉強しようと思っても図書館に行くとか、先輩の仕事を見て盗むとか、そのような方法しかありませんでした。その点、このeラーニングはすごいですね。マイナビが制作したコンテンツが150コース以上(2024年5月現在)も入っているので、それぞれの社員が自分に必要と思える内容をすぐに勉強できる。いい時代になったなと思います。

ただ、闇雲に学んでいくというわけにもいきません。当社では個人が受講コースを決める参考になるよう、社会人基礎力診断(※)もcrextaとあわせて利用しています。

※社会人基礎力:2006年に経済産業省が制定した、職場や地域社会で活躍し続けるための能力を「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力とそれに伴う12の能力要素に整理したもの。

さきほどおっしゃっていた「一人ひとりの社員が自分の能力、自分のポテンシャルを理解」するためですね。

大西

そうです。日常の業務を進める中では、ともすると流れ作業的になって「自分に足りない能力」や「実は秀でている能力」を見つけるのは困難ですよね。それを社会人基礎力診断でまずは明らかにして、どの能力を伸ばすべきなのかを知ったうえでeラーニングを使い、足りない部分は補い、優れている部分は伸ばすということをしてもらっています。

当社ではすべてのコースを全社員が視聴できるようにしており、だんだんと社内でも社会人基礎力診断の結果を見た上長からの指示でいくつかの講座を受講したり、自分で興味のあるものを見つけて自発的に受講したりといった動きが出ているようです。

eラーニングを活用することで、社員が成長できる環境を整えていらっしゃるんですね。crextaでは、オリジナルの学習コンテンツを入れることもできますが、活用されていますか?

大西

はい。部署ごとのオリジナル学習コンテンツ、それに付随する確認テストやアンケートなどを配信して、社員教育に役立てています。

また、これからは当社のオリジナルコンテンツとして「作業手順書」を作ることを考えています。当社は製造業ですから、経験を経て勘所を把握するような仕事がまだまだ残っているんです。その作業手順書をeラーニングとしてまとめれば若手でも熟練の技術を学べますし、eラーニングのコンテンツを制作する過程で作業手順の無駄を発見して効率化する、といった効果を得られるかもしれません。オリジナルコンテンツを作ることでのさまざまな効果に期待しています。

社員のエンゲージメントを測り、組織の健康診断に

他には社員の皆さま向けにどのような施策をおこなっていらっしゃいますか?

大西

組織状況を定量的に可視化し、現状を把握する目的でエンゲージメント診断を使っています。調査後の教育にeラーニングを活用できる点もメリットだと感じました。

エンゲージメント診断にはさまざまな項目がありますが、その診断結果を見ると、当社は社内の「コミュニケーション」に強みがあるようです。正直、社長として社内を見ている実感ではコミュニケーションが足りていないのではないかと感じていたので、少々意外でした。

一方で管理職が感じる「評価の透明性」には課題があることがわかりました。その結果を踏まえて、まずはマイナビが提供する管理職向けの評価者研修からはじめたところ、次の調査で管理職の「役割明確性」「人事評価の透明性」「教育の充実」の項目が改善していたんです。数字は正直ですね。

改善が必要な項目に焦点を当てて施策を導入することで、エンゲージメントを高め、活力ある組織を維持しているのですね。

大西

エンゲージメントというと言葉が堅いようですが、大きくとらえると「やる気」だと思います。本来、やる気のない社員は存在しないはずだと思っているんです。自分で希望して入ってきた職場ですから、みな「やる気」は持っているはずです。

しかし、それでも「エンゲージメントが低い」と出る組織もあります。であれば、その背景にあるそれぞれの課題を解消するためにeラーニングを活用したり、新たな研修を導入したりしていけば、本来持っているはずのやる気を引き出せるのでは、と期待しています。

エンゲージメントが高ければ人が辞めない組織になっていき、一人ひとりの労働負荷も下げられて、さらに働きやすい職場になるはずです。それこそ健康診断のように、定期的にエンゲージメント診断を行って組織の課題解決や組織開発をおこなっていきたいですね。

最後に、今後会社として取り組んでいきたいことはありますか?

大西

テーマはズバリ「挑戦力」です。失敗を恐れずにチャレンジし、失敗から学び成長する会社になっていってほしいと思っています。「向き・不向きよりも『前向き』」に。診断の中でもこうした項目が上がっていってくれることを期待しています。

そのためにも、まだまだマイナビと取り組めることがあると思っています。引き続きエンゲージメント診断とeラーニング機能、研修を軸としながら組織開発をおこなっていく方針ですが、crextaには人事が活用できる機能がたくさんあると感じています。今後、当社でなにか使えるかも一緒に検討していきたいですね。

マイナビのソリューションを上手にご活用頂いて嬉しい限りです。これからもサポートさせて頂きますので、ぜひまたお話を聞かせてください。今日はありがとうございました。

※取材内容は2024年2月6日現在の内容です。

〈プロフィール〉

大西 賢治 さん

代表取締役社長

北陸電力株式会社の取締役 常務執行役員から 2021年にグループ会社である北陸電機製造株式会社の代表取締役社長に就任。

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