導入事例

ANAテレマートが中堅・次世代管理職の育成でマイナビと歩んだ軌跡

ANAテレマート様取材の様子
「組織をもっと強くする」ための研修設計
ANAテレマート株式会社 様
業種
サービス・インフラ
従業員数
1,142名(2025年6月1日現在)
設立
1987年
本社
東京都

課題背景

新人事制度により「自律的に未来を切り拓く人財」の育成を加速するため、組織の要となる中堅社員の強化から取り組みを開始。管理職のサポートもおこなう中堅社員には、業務遂行だけでなく、「問題の本質を捉え改善へ導く力」や「周囲を巻き込む力」が求められていた。
また管理職候補層には、「管理職は負荷が大きい」「大変そう」という漠然とした不安があり、管理職の役割認識やスキルの向上を通して、意識を変えていく必要があった。

成果

中堅社員は半年間のプログラムにより、「学び→現場実践」を繰り返す成長ステップを踏み、自ら課題を発見し実践的な改善提案につなげた。特に、周囲へのヒアリングやWhyツリーを用いたコンセプチュアルスキルの向上により、意識と行動に大きな変容が見られ、役員への最終発表では自信と主体性をもった姿が評価された。
また管理職候補研修では、役割の解像度が上がり、漠然とした不安が軽減。前向きな意識が芽生え、将来のリーダー育成に向けた基盤が強化された。

一人ひとりの人材が自らの役割を理解し、協調と自律のバランスを保ちながら動くことができるようになると、組織はぐっと強くなります。ANAテレマート株式会社もこの点に着目し、2024年度の新人事制度施行を機に、「自律的に未来を切り拓く人財」の育成を加速させはじめました。

同社がまず着手したのは、組織の中核を担う中堅社員の意識変革。さらに、その成果を次世代管理職候補へと繋げることで、一貫性のある階層別研修を組み立て、人材育成フローの最適化に挑んでいます。この意欲的な挑戦について、事務局として施策を牽引し、自らも受講者として参加した同社事業推進部人事チームの小谷さまと臼井さまにお話を伺いました。

企業の成長のカギは「中堅社員」、強化に乗り出した背景とは

今回の階層別研修の強化について、まず「中堅社員」から着手された理由を教えてください。

小谷さん
(以下、小谷)

一番の理由は、2024年度からスタートした新人事制度にあります。新制度では、「ANAテレマートの未来は自分たちで創る」というスローガンを掲げ、各社員が自身の役割を理解し、自律的に成長することを求めています。

その際、組織の中でも特に重要なのが、現場と経営を繋ぐ管理職のサポートをおこなう中堅社員だと考えました。この層が強化されなければ、その先の管理職候補が育たず、組織が継続的に成長する妨げになると考えたからです。

具体的に、中堅社員にはどのような能力を求めていらっしゃいましたか?

臼井さん
(以下、臼井)

現場の業務を確実に遂行する力に加え、組織全体の視点で「問題の本質を掴む力」と、解決に向けて周囲を動かす「巻き込み力」です。

中堅社員は、上司の補佐をしながらチームの中心として行動することが求められます。具体的には、複雑な課題に対しても主体的に取り組み、独自の発想で改善提案ができる能力ですね。単なる「業務の実行者」に留まらず、「組織の推進者」へとステップアップしてもらうことが重要であると考えました。

半年かけて「階段」を登る 受講生として見た「没入型研修」の驚きと気づき

そこでマイナビと共に設計されたのが、全3回・半年間にわたる長期プログラムですね。お二人は実際に受講生として中堅社員研修に参加されたと伺っていますが、人事として、受講生として、それぞれどうお感じになりましたか?

小谷

まず人事としての視点からお話ししますね。

この研修を、事業継続性を高めるための重要な人材育成ステップとして捉えているので、研修を「点」で終わらせず、座学で学んだ内容を実務と接続できることを意識しました。

マイナビとの協議を重ねながら、「学び」と「現場での実践」を繰り返しながら階段を上がるようにして成長できる設計を取り入れています。
プログラムは、
第1回:中堅社員としての役割認識と会社からの期待役割の理解
第2回:ロジカルシンキング、問題への仮説立て
第3回:課題の特定と実行計画の策定

という3つの座学を半年かけて受講しながら、学んだことをその間の期間に現場で実践する、という構成です。

ANAテレマート様取材の様子

現場での実践とは、具体的にどのようなものでしょうか?

臼井

1回目と2回目の間、そして2回目と3回目の間の期間に、現場で「周囲へのヒアリング」をおこなう課題を組み込みました。具体的には、自分の上司や先輩、同僚、さらには他部署やお客様の視点から「自分への期待」を直接聞き出し、自己認識とのズレがあるかを確認する作業です。

小谷

受講生として実際に体験してみて感じたのは、この「外からの声」を聞くプロセスが非常に重いということです。自分が「良かれ」と思って取り組んでいたことが、実は周囲の求めていることとずれていたり、逆に自分では当たり前だと思っていたことが高く評価されていたり。

この「生の声」を聞いた上で参加する第2回の研修で、非常に重要な「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」を学べたことも印象深いですね。

コンセプチュアルスキルとは具体的にどのようなものですか?

臼井

複雑な状況を構造的に捉え、物事の本質を見極める能力です。中堅社員には、目の前の業務をこなすだけでなく、組織のビジョンに照らして「今、本当に解決すべき問題はなにか」を定義する力が求められます。

研修では、現場でのヒアリング結果(事実)をもとに、理想と現状のギャップを構造化する「Whyツリー」を作成しました。ばらばらに見えていた問題の背後にある「真因」をコンセプチュアルに捉える訓練を繰り返すことで、実効性のあるアクションプランへと繋げていったのです。

ANAテレマート様取材の様子

マイナビの独自プログラムである「ムビケーション(※)」も活用されたとのことですが、そちらはいかがでしたか?

小谷

第1回に導入した「ムビケーション」には驚かされましたね。ドラマ仕立てで架空の会社の問題に介入していくのですが、劇中で「陥りがちな状況」として描かれる行動は、自分にも心あたりがありました。「あ、これまさに私だ……」と、映像を通じて自分を客観視することができました。

臼井

一方的に講義を聴くのではなく、映像に没入して「自分ならどう判断するか」を繰り返し問われるので、当事者意識が自然と高まりました。この没入体験があったからこそ、その後の現場での実践課題に対しても、非常に高い熱量で取り組めたのだと感じています。

※ムビケーション:マイナビが開発した動画研修。「Movie(ムービー)」「Education(エデュケーション)」「Simulation(シミュレーション)」の3つの言葉を融合した造語で、ドラマ仕立ての映像を中心としたロールプレイで「現場で使える」スキルと知識を提供する。

「管理職への不安」を「未来への挑戦」に意識改革への挑戦

現在は、中堅社員研修だけでなく「管理職候補研修」も実施いただいています。その狙いと背景についてもぜひ聞かせてください。

小谷

まず、やはり組織を前に進める力を付けていくうえで、将来的に管理職となる社員を継続的に排出していくことの重要性は無視できません。しかし現在は「管理職になることでライフステージの変化に対応しにくくなるのではないか」「とにかく大変そうだ」とポジティブではないイメージを持つ社員も少なくないのです。

ANAテレマート様取材の様子

近年、「管理職になりたがらない」という悩みは多くの企業で共通の課題となっていますね。

小谷

当社には「困っている人がいたら助ける」という非常に温かく、素晴らしい社風があります。しかしその反面、管理職候補層からは「管理職になると、部下への手厚いサポートに追われて自分の仕事が回らなくなるのでは」という不安の声が上がっていました。実際、1から10まで丁寧に教えることが指導の王道になってしまい、結果として管理職が過負荷に見えてしまっていた側面もあったのだと思います。

そのような状況下で、研修の導入を決定づけた要因はなんだったのでしょうか。

臼井

大きな転機となったのは、先行して実施した中堅社員研修の成果です。私たちも受講したこの研修では、約半年間の学びの集大成として、役員の前で「自組織の課題解決に向けたアクションプラン」を発表する場が設けられました。そこで受講生たちが見せた変容ぶりが、本当に素晴らしかったんです。

現場のリアルな課題を構造的に捉え、自らの言葉で「こう変えていきたい」と力強く宣言する姿に、審査をしていた役員たちも「これほどまでに行動や意識が変わるのか」と非常に感動していました。この成功体験があったからこそ、「この勢いを止めることなく、さらに上の管理職候補層にもマイナビの力を借りてアプローチしよう」と、スムーズに導入が決まりました。

管理職候補向けの研修ではどこに重点を置いて設計されたのですか?

小谷

単にマネジメントスキルを詰め込むのではなく、まずは管理職という役割の「解像度」を上げることに重点を置きました。

ムビケーションも活用しつつ、課長職としての意思決定を疑似体験することで、管理職を「漠然とした重荷」ではなく、自分の意志で組織を動かしていく「やりがいのある挑戦」として捉え直してもらう設計です。

臼井

特に印象的だったのは、自身の「大切にしたい信念」を言語化するワークです。スキルの不足を嘆くのではなく、「自分はどんなリーダーでありたいか」という根源的な問いに向き合いました。

受講者からは、「管理職は自分とは縁遠いものだと思っていたが、今の自分に足りないものが明確になったことで、逆に不安が解消された」「明るい兆しが見えた」という声が多く上がっています。

すぐに管理職を目指して行動を始めるという一足飛びの決意まではいかずとも、将来に向けて前向きな「挑戦の種」を一人ひとりの心の中に植えることができた。これこそが、組織を継続させ、また成長させるための一歩だと感じています。

ANAテレマート様取材の様子

AI時代だからこそ試される「人間力」の研鑽

今後の人材育成の展望についてお聞かせください。

臼井

今後は一律の階層別研修だけでなく、公募型研修なども積極的に取り入れ、社員が自発的にキャリアを切り拓く「自律型人財」への変革をさらに加速させていきたいと考えています。

小谷

AIが進化する時代だからこそ、最終的に人を動かすのは、相手の気持ちを汲み取り、自分の言葉で想いを伝える「人間力」だと信じています。コンセプチュアルスキルで本質を捉え、それを自らの信念にもとづいた言葉で発信する力。こうした「人間にしかできない領域」の育成を、今後も大切にしていきたいです。

最後に、これからマイナビに期待していることをお聞かせいただけますか。

小谷

当社の現状を深くヒアリングし、制度改定の背景まで理解した上で、当社に即したカスタマイズをおこなってくれました。単なる研修会社ではなく、従業員の成長、そして社としての成長に寄り添ってくださる歩むパートナーとして、今後も多角的な視点からの提案を期待しています。

臼井

そうですね。いつも本当に丁寧なご提案をいただき、お任せして安心だと感じています。これからも当社の成長を一緒に見守っていただきたいです。

〈プロフィール〉

小谷 佳代 さん

事業推進部 人事チーム

大学卒業後、2009年にANAテレマート株式会社へ新卒で入社。顧客対応の最前線としてフロントラインでコミュニケーター業務、責任者業務に加え、チームコーデイネーターとして長きにわたり人財育成の経験を積む。その後、教育の企画業務に携わる。3回の出産育児休暇を経て、現在は事業推進部人事チームにて自身の経験を活かしながら人財育成、人事研修を担当。

臼井 萌 さん

事業推進部 人事チーム

大学卒業後、2017年にANAテレマート株式会社へ新卒で入社。フロントラインでコミュニケーター業務に従事したのち、応対品質を管理する部署で人財育成に携わる。育休を経て、再びフロントラインでチームコーディネーターや責任者業務を経験。現在は、今までに培った現場目線を大切に、事業推進部人事チームにて人財育成、人事研修を担当。

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