【導入事例】エンゲージメント・リサーチの結果をもとに「次の100年」を実現する人材戦略を描く

タカノホーム株式会社

本社:富山県
事業内容:主に木造注文住宅設計施工(新築・増改築・リフォーム)をおこなっており、グループ全体ではその他総合建設や不動産開発、木材加工なども手掛ける。
設立:1983年(創業は1919年)
従業員数:約270名(グループ全体)

<プロフィール>
杉下真也さん
タカノホーム株式会社 取締役 管理本部長

松井孝平さん
タカノホーム株式会社 業務推進部 人財開発室

事例概要

<課題背景>
・全社員のエンゲージメントを高めて、既存社員や新卒・中途入社者に選ばれる会社を目指していきたい。
・ベテラン社員と若手社員間のコミュニケーション不足に漠然とした不安を感じていたため、その原因を明確にし、解消に向けた施策を検討するための客観的な判断基準がほしい。

<成果>
・エンゲージメント調査を通じ、社員のエンゲージメントを客観的かつ詳細に把握できた。そこから、管理職を対象とした研修の拡充など具体的な施策を客観的根拠にもとづき検討できるようになった。
・調査の結果を受けて、役員や管理職と人事戦略について対話する機会を創出でき、社員の意識改革を一歩前進させることができた。

次の100年に向けて歩む“共感と共創の実現”を目指す


取締役 管理本部長 杉下真也さん

杉下真也さん(以下、杉下):タカノグループは木造注文住宅建築業のタカノホーム株式会社、総合建設業のタカノ建設株式会社、不動産開発・木材加工業のタカノ興発株式会社からなり、富山県と石川県を事業エリアとしています。当社は1919年創業の100年企業であり、現在は「次の100年への挑戦」を掲げています。

グループフィロソフィーである “共感と共創の実現”のために『タカノクオリティ:一人ひとりにベストな価値づくり』『タカノスピリット:働く人たちの誇りと喜び』『タカノブランド:歴史に刻まれた信頼と未来創造力』を軸に、社員一丸となって地域のニーズへ柔軟に対応し続けてきました。

松井孝平さん(以下、松井):ただ、昨今はコロナ禍によるウッドショック、ウクライナ情勢の悪化によるさまざまな仕入れ部材の高騰やサプライチェーンの乱れに悩まされています。現在は住宅などの売価を調整したり、業務の効率化を図ったりすることで、徐々に元の状態に戻りつつあります。

そして現在は、長年にわたって蓄積してきた技術力やノウハウを次世代に継承していくために、2022年5月に人財開発室を新たに創設し、フィロソフィーを実現できる人材の育成に努めています。

採用環境の改善と「見て学ぶ」からの脱却を図る

杉下:当地に限ったことではありませんが、地元からの人材流出が激しいことも相まって、採用については新卒・中途を問わず、志望者の総数が減少傾向にあります。しかし、次の100年を目指す私たちにとって、ともに挑戦する仲間を増やし、技術継承をしていくことは、非常に重要なミッションです。

そこで、社外的には地域の教育機関と連携しながら、若手人材の確保に努め、社内では社員の年齢層が幅広いことを活かし、ベテラン社員が若手社員に技術をスムーズに継承できる仕組みを構築したいと考えています。

松井:業界全体の傾向として、先輩の仕事ぶりを見て学び自身で経験を積んで一人前になるという流れが一般化しており、当社も例外ではありません。しかし、今や「見て学ぶ」という方針だけでは、若手人材を惹きつけることはできません。

当社では、こういった教え方を踏襲している社員もいれば、自ら丁寧に指導をおこなう社員もいるなどバラつきがあり、この差をなくしていきたいと考えています。もちろん、以前からOJTやOFF-JTには力を入れていましたが、それらが採用から人材育成、評価にいたるまでの一貫した仕組みとして機能するようにしなければならないという危機感を漠然と持っていたのです。

杉下:そうしたなかで、以前から新卒採用などの面で支援いただいていたマイナビに、2020年から新卒者を対象にした新入社員研修をお願いしました。

それ以前も社内で社会人としての基本を教える研修を実施していたのですが、現場からは「もっとしっかりとした知識やマナーを身につけさせてほしい」といった声が寄せられていました。当社だけの視点では、どうしても偏った内容になってしまっていたのです。

また、採用の段階から新卒者の様子を共有できるという利点も大きく、今では「今年の新入社員にはこういうところが足りないから、重点的に学んでもらおう」といった柔軟な対応ができるようになりました。研修サービスを提供している会社は数多く存在しますが、新卒採用の時点から中長期的な視点で人材育成を意識し、アドバイスをしてくれるのはマイナビならではの強みではないかと思います。

松井:新入社員研修は一定の成果をあげましたが、各現場配属後のOJTや指導方法が属人化しており、現場と連動した育成・指導というのが難しくなっていました。たとえば、若手社員が未経験業務へ主体的に挑戦する場合も、OJTトレーナーにより指導方法や言い方・伝え方が異なるなどです。これらは長期的な視点で見ると、ベテラン社員と若手社員とのコミュニケーション鈍化につながり、若手社員の採用や人材育成に支障が出るのではないかという漠然とした不安もありました。

ですが、それらを客観視できるデータはなく、発生原因と具体的な対策を講じることはできていませんでした。そう悩んでいた時に、マイナビの担当者から組織のエンゲージメント状態(従業員が組織に貢献する意図をもって、業務に打ち込んでいる状態)を可視化できる「マイナビ エンゲージメント・リサーチ」というサービスがあることを聞き、活用できるのではないかと思い、調査を開始しました。

エンゲージメント・リサーチの結果をもとに対話の場を創出


業務推進部 人財開発室 松井孝平さん

松井:まずは調査報告書のボリュームに驚かされました。もちろん、要約された資料もあり、担当者も丁寧に説明してくれたので、当グループのエンゲージメントについてはかなり詳細に把握することができました。

具体的には「職場風土」や「労務環境」は良好で、建設業ではなによりも安全第一が肝心なので、その点にギャップがなかったことには安心しました。一方で目標を達成しようとする意欲などは、管理職と非管理職との間にギャップがあることが明らかになり、その点から改善する必要があると考えました。

当グループの場合、管理職の多くが40~50代のベテラン社員、かつプレイヤーを兼ねており、管理職が抱く業務推進の想いや、それを実現するスキルの「暗黙知(当たり前にできていること)」が正確伝えられていない可能性がありました。そのことを踏まえ、非管理職は「自分の仕事のどういうところが評価されているのか、なにを役割として求められているのかが分かりにくいのではないか?」という仮説があがってきました。

現在はその仮説を検証するため、人財開発室の主導で、役員や管理職へ「エンゲージメント・リサーチの結果と現状」についてヒアリングを実施しています。従来は役員や管理職の皆さんと人材育成について対話する機会はあまりありませんでしたが、この取り組みでは、特に人材育成面でのフィードバックを多く頂いており、エンゲージメント・リサーチの実施が非常に良いきっかけになりました。今後は管理職と非管理職間でも、キャリアビジョンや業務の悩みについて、定期的に面談を実施するなども検討していきたいと考えています。

次の100年に向けた経営理念を実現するために

杉下:当グループでは人口減少社会においても持続可能なビジネスを展開していくために「従業員への約束」として、グループの原動力が「人」であること、社員一人ひとりの才能を育成し最大限に伸ばすこと、独自性と多様性を尊重し、お互いを認め合う心を大事にすることを明示しています。

一方で、それを体現することは簡単ではありません。とくに管理職の多くは先輩や上司の仕事を見て学んできた世代ですから、今の若手社員に有効なマネジメントを学ぶ機会があまりなかったのです。このギャップを埋めるためにも、エンゲージメント・リサーチによる客観的な分析と、その結果にもとづく研修や育成施策などを強化していきたいと思います。

調査は今回限りではなく、定期的にエンゲージメント診断をおこない、その結果をしっかりと組織や施策にフィードバックしながら、管理職強化やそのほかの施策を推進していきたいと考えています。

地方における人材不足はますます大きな課題になってきているので、これまで以上に自社の強みを大々的にアピールしていきたいと考えています。新卒採用から人材育成、評価にいたるまでの一貫した仕組みを構築し、当グループの経営理念を着実に体現していきたいですね。

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