特別インタビュー

第九回:Office テオーリア 代表 柊りおん氏

Office テオーリア代表。(米)アンガーマネジメントスペシャリスト。
大学卒業後、英会話スクールに勤務。仕事の傍ら通訳学校に通い、外資メーカーや企業フォーラムの通訳を担当。
震災を機に不安やストレス、怒りの感情のケアを学ぼうとキャリアチェンジを決意。
現在はアンガーマネジメントを中心とした企業研修・自治体・教育機関での研修に加え、エモーショナルマネジメント各種講座を主催している。

Office テオーリア
■<ブログ> 感情美人で 日々是好日
<著書>「感情美人になれる7つの扉」 欲しい未来が手に入る怒りのコントロール術(光文社)
■<WEB連載>感情美人への道────────────────────────────────────────────────────

━━最近注目を集めている『アンガーマネジメント』について、教えてください。

■怒りをコントロールできないと、仕事でもプライベートでも決定的に損!

 アンガーマネジメントは、認知心理学をベースにした「怒りの感情」をコントロールする心理トレーニングです。米国ではハリウッドセレブを始め、ビジネスマンや小学生に至るまで、幅広い層が受講しています。

 よく誤解されるのですが、「怒りの感情をなくす」技術ではありません。怒りは喜び、悲しみといった感情と同列にあり、生きていく上で必要不可欠です。一方で、怒りが暴走してしまうと、今まで築いてきた物を一瞬にして灰にしてしまう危険性があり、何より自分の心身の健康を害してしまいます。つまり怒りをコントロールできないと、人生において決定的に損なのです。

 アンガーマネジメントでは、まず「怒るもの」と「怒らなくていいもの」をしっかりと線引きし、怒るものに関しては正しい方法で相手に怒りを伝える。そして怒らなくていいものに関しては、テクニックを使って受け流せるようにしていきます。

 怒りは自分の価値観を裏切られた時、また変えられない物を変えようとする葛藤からも生じます。トレーニングを通してまずは怒りの対象に「反射」しない方法を学び、更には色々な価値観を許容できるようになる練習をしていきます。

━━『アンガーマネジメント』を通して、柊さんが実現したい事を教えてください。

■社会の中の怒りの連鎖を断ち切って行く

 「怒りの感情」には、強い立場の人から弱い立場の人へ流れやすいという特性と、伝播性が上げられます。ソーシャルメディアの発展に伴い、最近はネットの中で怒りが連鎖していく傾向が見られます。中国の北京航空航天大学の研究チームの調査によると、SNSで最も伝播性が強かったのは「悲しみ」や「喜び」を押さえて「怒り」の感情でした。例えば怒りに関する投稿は、その3ホップ先の人にまで怒りを連鎖させるのです。

 怒りをぶつけられたら、それを誰かにぶつける必要はありません。自分の感情に責任を持つ事で、まずは自分自身が怒りの連鎖から抜け出し、そうやって怒りの連鎖を断ち切り、アンガーマネジメントを通してより良い社会を作って行けたらと思っています。大きな夢ですが、不可能とは思っていません。

━━若手人材に対して想うこと、メッセージをお聞かせください。

■どんな変化も楽しめる強さと柔軟さを

 社会人になると、仕事でもプライベートでも学生時代とは比べ物にならないほど大きなチャレンジに直面している方も多いと思います。自分の力では、どうにも抗えない場面もあるでしょう。しかし、感情を自分の敵に回さず味方につければ、困難な中でも未来への糧を見つけられます。

 スティーブ・ジョブズの言う通り、たまに人生はレンガで頭を殴ってきます。私の場合は、割と若い年代で両親と死に別れたこと、離婚したことなど、ありました。でもそれらの出来事があったおかげで、想像もしていなかった新しい道が開けるものです。「もうダメかも」と感じた時、また「自分にできるだろうか」とプレッシャーで打ちのめされそうになった時は、一度、俯瞰的な所から自分を眺め、困難を“次のステージへ上がるチャンス”だと捉えて下さい。恐怖を駆逐して前に進まない限り、往々にして欲しい物は手に入りません。

 皆さんの前には、ありとあらゆる選択肢、“自由”があります。自分の人生で起きる事は100%自分の責任だと腹をくくって、どんな変化も楽しめる強さと柔軟さを持って頂きたいと思います。

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